ちゃらんぽらん日記

日々のあれこれ

織物

 以前、織物をしている方にお会いしたときのことを思い出したので、書いておく。

 なぜか私は、「何かを始めるのなら、今が最後の機会だ」「今始めないと、何もものにならない」と思っている節がある。実際に、ある意味においては、概ね正しいだろう。しかし、本当にそうなのだろうか。

 織物をしている方は、「各人には、時に応じてやるべき仕事が決まっている」とおっしゃった。目の前にあることがそのまま仕事である、ということか。その方は、ご自分や、陶芸をされている娘さんの来し方を語りながら、それがどういうことかを分かりやすく述べてくださった。例えば、陶芸を自分の仕事として一生懸命していても、結婚し子供ができれば、子育てが仕事となる。自分の本業であるはずの陶芸は二の次、ほとんど休業状態になる。

 この話が心に響いたのだと、他人に話すと、当たり前のことだという反応が返ってくる。当たり前ということは、大切だということだ。

 目の前にある、今すべきこと、すなわち今の仕事に懸命に取り組もう。同時に、自分は何が好きかということも、引き続き、時間をかけて探っていこう。一番好きなものは、探すまでもなく、明確であるのだが。