ちゃらんぽらん日記

日々のあれこれ

ステージからおりる

 いつものスキンケアをしながらぼーっとテレビを見ていたら、同級生が海外成年協力隊として外国に行きますというニュースが流れた。噂では聞き知っていたので、本当に行くんだ、そしてこれはニュースに取り立てられるほどえらい(他にもっと良い表現がありそうだが)ことなんだなーとぼんやり思った。同時に以下のことも頭をよぎった。

 でも、私はステージをおりたのだ、人と競い合うことはやめたのだ、と。

 何も海外成年協力隊を低く見ているわけではない。立派なことだと思う。どんなことだかよくは知らないが、行きたいと思いそれを叶えるために努力して実際に行くということは、えらいことだと思う。私が言いたいのは、それを端で見ている人やニュースを見た人たちが、私も海外に行かなくてはならないのではないか、私も何かしないといけないのではないかと思う必要はまったくないのだということだ。

 たとえば、その「私も海外に行かなくては」「何かしなくては」という思いに「焦り」と名づけるとしよう。その「焦り」には、「羨望」や「負けたくない」という思いも混じってはいないか。私はそれがある限り幸せにはなれないと思っている。

 なぜならば、その人は何を手に入れても、どんなに出世しても地位を手に入れても名誉を手にしても、周りを見て自分と比べては人をうらやましいと思い、負けたくないと思い、「自分も何かしなくては」「自分に足りないものはないか」と思い続けるだろう。長い人生をその繰り返しで過ごすのか。

 実は、これはすべて受け売りである。1年と半年ほど前、「負けず嫌いなんです」という私に、先生は「負けず嫌い」は良いことではないと諭した。一度といわず挫折を経験しつつなおも「みんな」と同じステージに立とうとする私に「君はもう一度ステージをおりたんだから」と諭してくれた。頭をがーんとやられた。ショックでもあった。でも、楽になった。

 もう私は人と競い合う必要はない。自分のペースで、自分らしく好きに生きればよい。こつこつと、自分のしたいことをして生きればよい。そこから、充実したものが生まれるように思う。