惜しい
先日、隣の市にあるカフェで行われたとある陶芸家さんの個展に行ってきた。そこでnui projectの本をみんなで見ているときにその陶芸家さんが「nui projectの作品がとても美しくて色彩が迫ってくるようで、はじめて見た日は目に焼きついてなかなか眠れなかった」というようなことをおっしゃった。
SHOBU(しょうぶ学園)_nui project*nuiプロジェクト(ヌイ)
私はそのとき深く心を動かされた。ありきたりな表現だが、この方には世界がどのように映っているのだろうと思った。私には見えない世界が、この方の目の前には確かに広がっている。
こういう人がいなくなることを「惜しい」と私は感じる。
以前に父(水彩版画家)の確かな技術を目にしたときも同じことを感じた。
- 作者: 芥川也寸志
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1971/08/31
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今、この本を読んでいる。私は音楽には疎く、筆者のことも存じ上げないのだが、最初の章を読んで美しい文章だと感動した。
美を尊び愛する人の感性に触れたとき、この人の肉体が朽ちたときその感性もまたいっしょに消えてしまうのかと思うと、儚さに思いを馳せると同時に「惜しい」とひとり残念がってしまう。