ちゃらんぽらん日記

日々のあれこれ

私が思う母親の大変さについて

 よく、育児は大変だ、と言う。辛い、という声さえ聞く。しかし私は、育児そのものが大変なことはあまりない。第一に夫がとても協力的であるし、以前書いたように産後すぐにマタニティブルーになったことをきっかけに多方面からサポートを受けられているからだ。子どもがなかなか寝付かないときやなかなか泣き止まないときは苦労するが、それが育児の本当の辛さではないと私は思う。
 では、何が辛いのだろう。私は最近本を読んだり考え事をすることに精を出している。それは有意義だし充実した時間でとても楽しい。なぜならば、私が私でいられるからだ。育児において、母親にはややもすると「私」がなくなってしまうから辛いのではないか。要するに、アイデンティティの問題だ。
 出産前、私は私だった。しかし、いま私は子の前では「母」でしかない。本当は母でない自分もあるのに、育児に没頭していると、その自分を見失ってしまいそうになる。特に、今は育児休暇中で仕事をしているわけでもないから、仕事人としての私は今はいない。要するに、本来ならば、母としての私、仕事人としての私、個人としての私、三つ揃ってはじめて私らしくいられるのだ。そのことを、夫に、親に、周りの人たちに理解してもらいたいと思う。
 昨年度末に放送されたNHKスペシャルで、子育ては「共同養育」が本来の形だったとされていたことを思い出す。子は母が一人で育てる必要はないし、母は育児だけで満たされる必要はない。夫の協力、親の協力、外部の人の支援、様々な人と関わってはじめて健全な育児が成り立つ。母親は誰でも罪悪感を持たずに自分の時間を持っていいのではないか。子どもがいても、一人の人間として自分らしく生きることを考えたって良いのではないか。そうでないと、いつか育児から離れたときに、抜け殻のようになってしまうと私は思う。

妊娠したときに読む本

<とりあえず一冊>

エッセイ

芥川賞作家が贈る妊娠・出産・育児エッセイ。読んだときは「最高の一冊に出会った!」と思った。当時まだ妊娠中だった私は、著者の妊娠期間のハードさを傍観者が眺めるようにして読み、出産と育児のハードさに怯えたものだった。しかしだからこそ最後は感動するのだ。おすすめ。

きみは赤ちゃん

きみは赤ちゃん

 

実用書

妊娠したはいいものの、何に気をつければいいのか、出産にはどれだけお金がかかるのか、何も知識がないという方におすすめ。季刊。

 

<出産・育児が不安なとき>

エッセイ

読み終えたら、出産も育児も何とかなる気がしてくる。『きみは赤ちゃん』を読んで不安になった人におすすめ。

笑う出産―やっぱり産むのはおもしろい

笑う出産―やっぱり産むのはおもしろい

 

 

<経済的なことが心配なとき>

ムック

出産にかかるお金・出産でもらえるお金から、保険の入り方や住宅ローンの組み方まで。鵜呑みにするのはどうかと思うが、あくまで考えるとっかかりにするのに良いかと。年度ごとに新しいのが出る。

赤ちゃんができたら考えるお金の本 2016年版:ムック (ベネッセ・ムック たまひよブックス)

赤ちゃんができたら考えるお金の本 2016年版:ムック (ベネッセ・ムック たまひよブックス)

 

 

<妊娠中の食事について知りたいとき>

レシピ本

妊娠中のレシピ本はいくつかあるが、私が使いやすかったのはこれ。後ろについている索引が使いやすい。

赤ちゃんがすくすく育つ!妊娠中の食事

赤ちゃんがすくすく育つ!妊娠中の食事

 

 

<無痛分娩について知りたいとき>

 出産に痛みは伴うもの。一度無痛分娩という選択肢を考えてみても良いかも。ちなみに私はこの本を読んだ上で自然分娩を希望することに決めた。

無痛分娩のすすめ

無痛分娩のすすめ

 

 

<流産してしまったとき>

 エッセイ

流産の悲しみは計り知れない。そんなとき、この本を読むと受け入れ方のひとつの方法をそっと差し出してくれるかも。

かわいい夫

かわいい夫

 

 

<マタニティブルーになったとき>

マンガエッセイ

つらいことはつらいと認めていいんだ、と思わせてくれる一冊。

れもん、うむもん! ――そして、ママになる――

れもん、うむもん! ――そして、ママになる――

 

 

<その他・小説3冊>

予定日はジミー・ペイジ (新潮文庫)

予定日はジミー・ペイジ (新潮文庫)

 

 

海を感じる時

海を感じる時

 

  

イルカ (文春文庫)

イルカ (文春文庫)

 

 

<その他・エッセイ3冊>

そういうふうにできている (新潮文庫)

そういうふうにできている (新潮文庫)

 

 

Mammaともさか にんぷちゃん編

Mammaともさか にんぷちゃん編

 

 

贅沢なお産 (新潮文庫)

贅沢なお産 (新潮文庫)

 

 

 

 

 

 

 

 

熊本地震を受けて私が考えたこと

 今回の地震が発生して以来、私は自分と身内を守ることばかり考えていた。私には決定的に自分と家族や友人といった身内より外側にいる人たちのことを真剣に考えることが欠けているのではないか。いつもいつも自分が自分がばかりだから、私は立ち止まっているのではないか。

 でもだから今すぐ救援物資を送るとか、募金するとか、そういうことだけではなくて、たとえば被災した一人の人のことを考え続けていくことが肝要だ。阪神淡路大震災のとき、東日本大震災のとき、考えた人は既に違うステージにいるのかもしれない。本当は何も考えてこなかったことを今回突きつけられた。

 21年前、神戸から近所に引っ越してきてしばらくしてまたどこかへ行ってしまった一人の転校生はいまどういう人生を生きているのか。大切な人を突然亡くすというのはどういうことなのか。想像するしかできない。家族が、友人が…。人の痛みを自分の痛みとして捉えられているか?日々をそんな風に思いをもって生きているか?

 私なりに考えて、長年寄り添った配偶者を最近亡くした叔母のところへ行くことにした。結局会えなかったけど、日常レベルの自分の実際の行動に落とし込んで物事を考える人でありたい。また行こう。

向上心

  向上心を持つことは時に良い方向に作用し、時に悪い方向に作用する。

 私の人生を振り返ってみたときに、向上心があることで悪い方向へと向かったのは、向上心を持つ人たちばかりの集団の中で、他人と比較することでしか自分を捉えようとしなかったときだった。反対に良い方向へと向かったのは、自分の外に基準を求めずに、自分の中にモチベーションを置いたときだった。

 自分自身は向上心を持っていたい。しかし向上心を持つことを人に強要することはできない。自分の中にモチベーションを置いて淡々と生きていくのが良いだろう。

 そうなると、自分がどこにいるのかというのは大きな問題ではなくなってくる。どこにいたって自分次第なのだ。

一杯のコーヒー

 育児で頭が煮詰まり、息子を夫に預けて家を飛び出し、近所に新しく出来たコーヒー屋へ行ってきた。温かいコーヒーをいただきながら、少しずつ紙に書き出して頭の中を整理する。いちばん大事なことは、あっさりと分かった。ついでだから少しゆっくりと考え事をし、紙に書き付けて、コーヒー屋を後にする。たった一杯のコーヒーをすするくらいの短い時間だった。でも、そのコーヒーに救われて大切なものを見失わずに済んだのかもしれない。また来よう。そのコーヒーがとても美味しかったから。

生後3週

 息子は割と寝てくれるし、家事は夫がほとんどしてくれるので、息子が寝ている時間はてもちぶさただ。明日からその時間は、普段行き届かないようなところを掃除したり、リビングをはいはい期に対応できる部屋に変えることに費やすことにした。もちろん気が向いたら録り溜めしたテレビ番組や映画をみたりもできるだろう。俄然、わくわくしてきた。